コラムコロナ禍の影響~飲食店・宿泊業、運輸業が採用数を減らす

コロナ禍の影響~飲食店・宿泊業、運輸業が採用数を減らす

約7割の企業で「採用人数の変更なし」と新卒者への需要は引き続き高い。

2020年、コロナウイルス感染症は世界の日常を一変させた。
新卒者向け採用活動広報活動の解禁日となる3月1日、大規模な合同企業説明会は中止を余儀なくされ、これまで対面を基本としていた企業説明会、面接試験棟が、一斉にオンラインに置き換えられた。
就活生にとってはオンラインに置き換わることで、移動時間や交通費負担が無くなり、負担軽減につながったことは大きかったのではないだろうか。
コロナが終息した後も、就活生の負担軽減に繋がるオンラインを活用した採用就職活動が継続されることを期待したい。
デメリットについては、様々なところで指摘されていることからここでは言及を避ける。

2021年4月27日、リクルートワークス研究所が公表した「ワークス大卒求人倍率調査(2022年卒)」によれば、コロナの影響を受けた企業における2022年卒向けの新卒採用計画について、約7割が採用人数の変更がないとした。企業の新卒者採用意欲は依然底堅いことが窺える。
このような中で、採用数を減らす、もしくは採用自体を中止した企業を業種別で見てみると、「飲食店・宿泊業」と「運輸業」が顕著であった。

2020年3月大学卒業者で「飲食店・宿泊業」に就職した学生は約1万1千人。同じく「運輸業」に就職した学生は約1万6千人(「学校基本調査—令和2年度結果の概要—」文部科学省より)。ちなみに産業別にみた就職先の割合の中で「飲食・宿泊業」が占める割合は2.6%、「運輸業」は3.5%と決して小さくはない。
コロナの影響を受けていても採用数を増やす企業が多い「小売業」が求職者を吸収することが期待されている。

マクロ的にコロナ禍における新卒者就職採用を俯瞰することはできても、やはり大切なことは、学生一人ひとりが抱く社会への「希望」ではないだろうか。
入学時に大学でしっかり学び、卒業後は航空業界、ホテル業界など、コロナ禍で苦境に立たされている業種への就職を希望していた学生の意思を、どうしようも変え難い現実を前に、どのようにケアすべきか、キャリアカウンセリングの真価が問われている。

【引用・参考文献】
・「大卒求人倍率調査(2022年卒)」リクルートワークス研究所(2021)

―新卒就活生のためのオンライン就職相談 メッセンジャー・チャットアプリ

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