コラム社会人の約7割が「転職は前向きな行動である」と捉えている。

社会人の約7割が「転職は前向きな行動である」と捉えている。

自立・自律したキャリア形成と転職

「終身雇用」を前提に、ジョブローテーションを社内で繰り返し、多くの部署での様々な経験を積み、やがて管理職となる。このような“理想的”なキャリアパスは、会社側が従業員に「終身雇用」を提示し難くなったからなのか、従業員側が一企業に縛られない「働き方」を選ぶようになったからなのか、実にどちらがトリガーとなったのかは正に「にわとりとたまご」のような因果関係により不明だが、確かなことは、会社および従業員双方が、“理想的”なキャリアパス像から離れている。

株式会社マイナビが毎年、正社員として働いている20代~50代を対象に、転職に関する調査を行っており、3月18日「転職動向調査2021年版」がリリースされた。
同調査によれば、転職することに関して約7割が「転職は前向きな行動である」(69.7%)と捉えている。
5年前の2016年の調査では「転職は前向きな行動である」と捉えていたのは約6割(58.8%)であったことから、毎年「転職」を是とする意識が広がっていると言える。

学校を卒業して入社した会社に定年まで勤め上げる“理想的”なモデルは、会社側としては、多くの従業員に対して均等な教育を施しておき、事業形態、競争環境の変化に応じて、従業員を“会社の都合”で配置することで、柔軟に事業を運営できる利点があった。
一方、従業員としては、会社が指定した教育制度、人事制度に則り“勤め上げる”ことで、安定した賃金、安定した雇用がある一定程度保障され、人生設計が比較的立て易かったというメリットがあった。

「転職」への意識が年々変わっていく中で、一個人としては、本当の意味での自立的、自律的なキャリアを考えることになる。
真に自立、自律した働き方、生き方を考えるならば、雇われない生き方=起業、というキャリアも今後は選択肢に入ってきて然るべきと思われる。

「転職」または「起業」、どちらの場合も一企業内だけで通用する職務遂行能力のままでは不十分といえよう。
企業内で雇われている内は、企業の事業継続性の論理により、企業の必要とする能力育成は施されるが、会社一般に共通するような能力を養えるかは疑問が残る。
「転職」を前向きに捉えることと並行して、自身の職務遂行能力が、社内だけで通用するものなのかの「棚卸」は必要となろう。

キャリアの棚卸の際も、オンライン(メッセンジャー・チャットアプリを用いた)での就職相談の活躍の場面は多いと思われる。

・「転職動向調査2021年版」株式会社マイナビ(2021年)

―新卒就活生のためのオンライン就職相談 メッセンジャー・チャットアプリ

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