新卒者の就職相談の現場では、学生に卒業後の進路を尋ねることがあります。
卒業後の進路が決まっている学生の答えには、大きく2つのパターンがあることが気がつきます。
質問「卒業後の進路は決まりましたか?」
回答例①「はい、株式会社〇×△商事に決まりました。」
回答例②「はい、システムエンジニアに決まりました。」
もうお分かりかと思いますが、回答例①では卒業後に就職する「会社名」を答える一方、回答例②では卒業に就く職種を答えています。
以前は多くが就職先である「会社名」を答える学生が多かったですが、近年では、システムエンジニア、広報、ライターといった「職種」を答える学生が増えてきています。
自立的なキャリア形成の側面からは、特定の「職種」を自ら選び、専門性を高めようとする傾向は、好ましいことだと思います。
これまでは総合職の名のもとに、新卒で入社した会社の人事戦略に基づいて配置され、配置された職種で経験を積んでいくことが「あたり前」のように行われてきましたが、主体的なキャリア形成を望む若者が増えたことで、会社主導の配置配属制度はやや制度疲労を起こしつつあるのではないでしょうか。
望む職種を提供し、従業員が高いモチベーションを維持することで、結果として会社も好業績を上げることが好循環を生むのではないでしょうか。
総合職から、専門職へ。
個人と会社の利害が一致する、新しい人事処遇制度の構築が急がれます。
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