コラム就活で「選ばれない」恐怖を超えて、自ら「選ぶ」人生を

就活で「選ばれない」恐怖を超えて、自ら「選ぶ」人生を

「学ぶこと」の意味

新卒就活生のためのオンライン就職相談は、「就職氷河期」という新卒就活生にとって非常に厳しい就職環境の時代に、実際に心を病むような就職活動を経験した当時の新卒者が、約20年の社会人としての経験を積む一方、自身の就職活動を振り返り、就職活動と「キャリア」の関係性について深く考え、カウンセラーの資格を取得した者たちが、自身も経験した不安で孤独な就職活動の経験から「今」就職活動を行う新卒者をサポートしたい、という志から立ち上げられた活動である。

現在はカウンセラーとなった当時の新卒者の就職活動は、面接で落ちる恐怖、「自分が選ばれない」ことの恐怖が大きかった。過度な企業側の「買い手市場」は、「会社説明会から選考が始まっている。会社説明会で座る位置は最前列、そして採用担当者の話に相槌や頷きをすること」、「面接は、会社に入る前から始まっていて、会社を出ても気を抜かないこと」など、細部に亘る「就活の作法」がまことしやかに流布されていた。
当時の流布されていた「就活の作法」は、今考えれば…、というものがとても多いものの、過度な企業側の「買い手市場」の状況下においては、就活生が信じ込んでしまうだけの張りつめた雰囲気があった。
実際、少なくない就活生が数え切れなくなる程の不採用通知に心を痛めた。

1990年代後半から2000年代前半の「就職氷河期」に新卒者として就職活動を経験した者たちも、2021年の今では40代となり、企業の中核人材となっている。新卒就活生のためのオンライン就職相談の活動に参画している者は、就職後も自己研鑽を積み、カウンセラーの資格を所得する一方、所属している企業・組織において、中核として活躍している人材。

ただ企業に所属し、フルタイム正社員として働きながら、カウンセラーの資格を取得するなど、自己研鑽を100%「前向きな」気持ちで行っていたかというと、補足が必要となる。
新卒就活生のためのオンライン就職相談に参画している者たちの多くは、自身の就職活動時に「選ばれない」恐怖を何度も経験し、新卒者として安定的な会社・組織に就職した後も、長いキャリアの中でもう一度就職活動をせざるを得ない状況になった時には、もう「選ばれない」恐怖を味わいたくない、という自己防衛の意味合いが濃い動機づけから自己研鑽を積んできた。
そのような理由からも、オンライン就職相談に参画しているカウンセラーは、カウンセラー以外の資格も保有している者が多い。

就職活動時の「選ばれない」ことへの恐怖から自己研鑽、学び続けたことで、現在の就活生のサポートも出来るように。そして、会社、組織に所属し、中核人材として活躍しながらも、主体的にキャリア形成を考えられるように。
動機づけは必ずしも前向きなものではなくとも、積み重ねの先に、主体的、自立的なキャリアと人生があるのではないか。

なぜ学び続けなければならないのか—。
それは主体的、自立的に生きるため。

「就職氷河期」は、新卒就活生にとって選択肢が限られてしまっていた不遇な時代だった。
だからこそ就職後、キャリア形成の中で主体的、自立的に働くこと、生きることを願う世代を産み出したのではないか。
「就職氷河期」世代が、主体的な世代、自立的な世代と呼ばれる日も近い。

【引用・参考文献】
・「第 17 回 2001 年卒大卒求人倍率調査」 株式会社リクルートリサーチ(2000年)

―新卒就活生のためのオンライン就職相談 チャット不安悩み相談

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