間もなく2022年4月入社予定者の「内定式」が一斉に執り行われる10月1日となる。
9月1日時点の大学卒就職内定率は90.0%となり、「就職を希望している」大学生の9割が内定を取得している状況である。
リクルートワークス研究所の調べ2022年3月卒の民間企業就職希望者は450,000人と推定されていることから、9月時点で45,000程が内定を得られていない状況でもある。
新卒大学生の就職・採用スケジュールは、「申し合わせ」により一斉に開始されるため、おおよそ採用活動を終える時期も「横並び」となる傾向が強い。
採用のための広報活動は3月1日以降、採用選考開始は6月1日以降、正式な内定は10月1日が「申し合わせ」で定められたスケジュールであり、10月1日正式な内定に合わせるため、選考活動を9月までに終える採用スケジュールを組む企業が多くなる。
10月1日が近づくにつれ、就活サイトから「説明会の予約可」と表示される企業が徐々に減少していく。
この時点で内定を取得出来ていない就活生の焦りと不安と孤独感と苦しさは、就職氷河期に就職活動を経験した者は痛い程理解できる。
就職氷河期(1990年代後半から2000年代前半)から約20年が経過しようとしている現在、新卒就活生を悩ませる就職・採用活動のスケジュールは、別の言い方では、採用活動時期のピークを越えた後の状況はどのように変化したのだろうか。
新卒者の採用活動の時期を、一般化した就職・採用活動スケジュールに寄らず、時期を特定せず年間を通じて行う「通年採用」の状況を見てみよう。
株式会社リクルートキャリア「就職みらい研究所」の調査では、2022年卒者採用の方法の中で「通年採用」を実施予定の企業は27.0%であり、3割弱の企業で「通年採用」を行う見通しである。
「通年採用」を実施予定の企業を従業員規模別で見た場合、300人未満33.7%、300~999人24.6%、1,000~4,999人19.7%、5,000人以上30.0%であり、300人未満と5,000人以上の規模で「通年採用」実施の割合が高くなっている。
ちなみに、昨年度2021年卒において「通年採用」を実施予定とした企業は19.2%であり、2022年卒の方が「通年採用」を実施予定の企業が増加していると言える。
新卒就活生にとっては10月1日の正式内定後もチャレンジできる環境は広がりつつあると言えよう。
夏を過ぎた頃から、エントリーできる企業、説明会に参加できる企業が徐々に減っていく怖さは、実際に経験した新卒者でなければなかなか理解し難いものだろう。
新卒就活生がいつでも、何度でも挑戦できる就職・採用環境が整うことを切に期待している。
【引用・参考文献】
・「就職プロセス調査(2022年卒)『2021年9月1日時点 内定状況』」就職みらい研究所(2021)
・「第38回ワークス大卒求人倍率調査(2022年卒)」リクルートワークス研究所(2021)
・「就職白書2021」就職みらい研究所(2021)
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