コラム「誰かの役に立っている」ことを感じられる仕事や会社が求められている。

「誰かの役に立っている」ことを感じられる仕事や会社が求められている。

「社会の役に立っている」と感じている従業員は仕事や会社に満足している傾向が高い。

一般社団法人日本能率協会が2018年に発表した「入社半年・2年目 若手社員意識調査」によれば、
現在所属している「会社」に対して、「満足」している人は52.1%(「とても満足」14.5%、「満足」20.3%、「やや満足」17.3%)であり、
現在従事している「仕事」に対して、「満足」している人は61.6%(「とても満足」16.3%、「満足」23.8%、「やや満足」21.5%)であった。

同調査では、働く目的の一つである「社会の役に立つこと」について、現在の会社や仕事を念頭に満足度を尋ねたところ、
「満足」している人は51.1%(「とても満足」7.3%、「満足」16.8%、「やや満足」27.0%)であり、
約半数の社会人が働く目的の一つである、自身が所属している会社や仕事において「社会に役立つこと」で満足感を得ていることが分かった。
一方で、働く目的の一つである「社会に役立つこと」への満足度について、現在の会社や仕事において「どちらともいえない」35.3%、「不満」13.9%(「とても不満」3.3%、「不満」3.3%、「やや不満」7.3%)と同じく約半数が、現在の会社や仕事において「社会に役立つ」という満足感を得られていないことも明らかにされた。

さらに、現在所属している「会社」に対して「とても満足」しており、かつ「仕事」に対しても「とても満足」していると回答した人について、働く目的の一つである所属している「会社」および従事している「仕事」が「社会の役に立つこと」で「満足」していると91.5%が回答した(「とても満足」38.3%、「満足」29.8%、「やや満足」23.4%)。
ここから、所属している「会社」および従事している「仕事」が「社会に役立っている」と感じている社会人の9割以上が、所属している会社と仕事に対して「とても満足」する傾向が見出せる。

「会社」と「仕事」が「社会の役に立っている」と感じられることが、会社と仕事への「満足」感を醸成するのではないだろうか。
自分にとって大切な人のために何かしてあげたいと自然に湧き出る愛情のように、仕事・職業においても「誰かの役に立っている」と実感できることを多くの人が求めているのではないだろうか。

現在所属している「会社」および「仕事」に「不満」を抱いている人は、所属している「会社」および「仕事」が「社会に役に立つこと」についても55.9%が「不満」であると回答し(「とても不満」29.4%、「不満」11.8%、「やや不満」14.7%)、32.4%が「どちらでもない」と答えている。
ここからも、「会社」や「仕事」が「社会に役立っている」と実感できているかどうかが、会社や仕事に対する「満足感」の獲得にとって重要であることが示唆されている。

あらゆる側面で「個人化」が進む社会において、人として、そして仕事の本源である「誰かのために役立ちたい」という気持ちを大切にできる会社や仕事が、より求められているのではないだろうか。

【引用・参考文献】
・「入社半年・若手社員意識調査」一般社団法人日本能率協会(2018)

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