※以下のエピソードは新卒就活生が陥った悩みとカウンセラーによるカウンセリングケースです。エピソードは個人が特定されないように加工を加えております。カウンセリングケースはカウンセラーの個人的な見解によるものです。
【M大学・社会学系学部所属・4年生】
3月1日から合同企業説明会に参加し、そろそろ個別企業にエントリーしようと思っています。
企業によってはエントリーシートの中に、「志望動機」を問う質問が含まれている場合があります。正直、これから選考を受けようとする企業を志望する理由は「50年以上の社歴があり安定している会社だから」、「大手企業で労働条件や労務管理がしっかりしていそうだから」、「給与が高そうだから」といったものしか思いつきません。志望動機には、入社した際に「やりたいこと(やりたい仕事)」や「夢や憧れ」、「望むキャリア形成」といった、「心の部分」も必要なのでしょうか。
私には就職先での「やりたいこと」、「やりたい仕事」、「夢や憧れ」をイメージすることができません。
【カウンセラー 工藤未来】ThirdPlaceキャリアマネジメント代表。大学院修了後、労働問題を主な研究領域とする団体・研究機関に入所する。 入所後、若年者の就職問題・キャリア形成の問題をテーマとする活動・研究を行う。 活動・研究活動を行う中で、多くの働く人からの「何のために働くのか」の問いや悩みをきっかけとして、「答え」を示すのではなく、働く人ひとり一人が「考える」ためのヒントを提供することを始める。
なぜ採用プロセスで「やりたいこと」と問うのかの「理由」を考える。
このご相談は、エントリーシートで求められる「志望動機」について、「会社が安定している」「大手企業だから」「給与が高そうだから」という理由以外に、「やりたいこと・やりたい仕事」や「夢や希望」などの「心の部分」についても記載する必要があるのか、といったものでした。
ご相談者が不安に感じております、エントリーシートの志望動機には、「やりたいこと」「やりたい仕事」や「夢や希望」などの「心の部分」についても記載する必要があるのか、については、企業側がなぜ「志望動機」を問うのかを検討材料に入れ、さらに新卒者がエントリーシートを提出した志望する企業から「内定を得る」ことを目的とするならば、「記載した方が良い」という回答になります。
アドバイスとしては、エントリーシートは「受からなければ」、その時点で志望する会社から内定をもらう道が閉ざされてしまうので、企業がなぜエントリーシートで志望動機を問うのかを念頭に置き、優先すべきは内定を得ることを確認した上で、再度志望動機を執筆頂きました。
大学3年生~4年生の時点で、「やりたいこと」「やりたい仕事」「夢や希望」「望むキャリア形成」を本心で言えなかったとしても、志望する企業から内定を得て、4月に入社した会社において仕事をしながら、ゆっくりと時間を掛けて、「本心にしていく」やり方もある、と思います。企業側も採用するための「技術」を磨いています。
新卒者も就職するための「技術」を磨く必要があるのかもしれません。