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「今の会社で定年まで勤めたいと思わない」59%。日本企業の良さは失われた…?
2022卒者の内、2社以上の複数企業から内々定を得ている新卒者は62.5%。6割以上が複数社から内定を得て、4月1日の入社前までに6割上の新卒者が複数の内定先から1社に絞り込み、内定辞退を行う。
企業としては将来の基幹社員を確保すべく、自社への内定辞退を防ぐ対策に追われている。
内定辞退策のキーワードとして「新卒者のエンゲージメントを高める」が用いられることがある。 「エンゲージメント」が人事労務管理の場面で用いられる際は、従業員が会社に対して抱く愛着心や信頼関係を示す。
内々定を出し、10月1日の内定式を経て、4月1日の入社式を迎えるまで、新卒者が会社に対して愛着心や信頼関係を持てるように、採用担当者が定期的に会社の情報を届けるような策が展開されている。 従業員が会社に対して抱く愛着心や信頼関係を高める施策は、入社前の新卒者だけではなく、当然全ての従業員にとって必要な労務管理といえる。
現在では「崩れた」と言われてはいるが、未だ多くの企業で人事制度の根幹には新卒者一括採用、長期雇用、結果としての終身雇用、年功序列といった慣例が残されていると考えられる。新卒者一括採用、結果としての終身雇用、年功序列といった労働慣行は、世界でも稀な安定的な労使協調と、従業員の会社への高い忠誠心、愛着心、信頼関係=「エンゲージメント」を醸成したと考えられていた。 「かつて」の日本企業における従業員の高い忠誠心、愛着心は、世界的に稀であり「日本的経営」といった経営学の研究対象ともなり得た。
2017年、米国の調査会社であるギャラップ社が従業員の「エンゲージメント」の調査を全世界139ヵ国を対象に行ったところ、日本は「熱意あふれる社員(Engaged)」の割合が6%であり、調査対象国139カ国中132位と最下位クラスであった。
さらに「やる気のない社員(Not Engaged)」が70%、「周囲に不満をまき散らしている無気力な社(Actively disengaged)」の割合は24%であったことも分かった。 「かつて」は企業と従業員との「エンゲージメント」が非常に高いことで世界的に注目を集めた日本企業と「日本的経営」であったが、現在は「エンゲージメント」の世界的な低さでフォーカスされている。なぜ日本企業で働く従業員の「エンゲージメント」がここまで低くなったかについては、他で言及していきたい。
ギャラップ社の「エンゲージメント」調査の結果を裏付けるように、一般社団法人企業活力研究所が行った調査によれば「今の会社で定年まで勤め上げたいと思わない」と回答した34歳以下の従業員は59%に及んだ。 現在の若者にとって魅力ある会社とは一体どのような会社なのだろうか。
若者が働き続けたいと思う魅力的な会社とはどのような会社なのだろうか。
離職した後のキャリア成型はどのように考えているのだろうか。
今後明らかにしていきたい。 【引用・参考文献】
・「就職プロセス調査(2022年卒)『2021年10月1日時点 内定状況』」就職みらい研究所(2021)
・「State of the Global Workplace」Gallup(2017)
・「経営革新と『稼ぐ力』の向上に向けた仕事とキャリア管理に関する調査研究」一般社団法人企業活力研究所(2018) ―新卒就活生のためのオンライン就職相談 チャット不安悩み相談
入社する会社の決め手は「自らの成長が期待できる」。大切なのは入社後…。
10月1日の内定式も終わり、卒業後の進路が確定している2022卒者にとっては、3月までの残された学生時代を大切に刻んでいることと思う。
2021年10月1日時点の就職内定率は92.4%、コロナ禍にあっても企業の新卒者採用の意欲は衰えていない。一方、新卒者は10月1日時点で87.5%が進路を確定させ、10.8%、約1割の新卒者が就職活動を10月1日時点で継続している。 10月1日時点で87.5%が進路を確定させるまでには、10月1日の内定式前までに複数社から内々定を得た新卒者は62.5%と、半数以上が複数社から内々定を得ているという調査結果もあり、10月1日をおおよそのリミットとして内々定を得た会社の中から1社に絞り込む「会社選び」が行われている。 「就職氷河期」とは異なり、新卒者労働市場は企業の旺盛な採用意欲から、学生側の「売り手市場」が続いている。結果として、6割を超える新卒就活生が複数社から内々定を得て、内々定を得た会社の中から「会社選び」が❝一般的❞に行われることになった。企業側も内定辞退への対策を採用活動の一部として制度化させている。 では、複数社から内定を得た新卒者は、最終的に入社する1社に絞り込む際、最も重視した「会社選び」のポイントはどこにあったのだろうか。
株式会社リクルートキャリアの就職みらい研究所の調査によれば、「就職先を確定する際に決め手となった項目(2020年卒学生上位10項目)」は、
「自らの成長が期待できる」56.1%であった。
ちなみに2019年卒も「自らの成長が期待できる」が最も多い決め手ではあったが、その割合は47.1%であり、2020年卒はより「自らの成長」を就職先に求めていることが分かる。 一方で、「就職先を確定する際に決め手となった項目」の中で、
「会社・団体の知名度がある」(20.5%)、
「会社・団体の規模が大きい」(20.2%)、といった「大企業志向」と称されたマインドは選択の基準から後退している。 自らの成長機会をより見出せた企業に入社を決めることは、自立的なキャリア形成の面からは好ましい傾向といえる。
しかしながら、「就職先を確定する際に決め手となった項目」の中で、「ゼミや研究等、学校で学んできたことが活かせる」が2番目位に低い17.8%となったことは注意が必要と思われる。 就職・採用の❝ゲンバ❞において、たびたび「大学で学んだことは会社ではほとんど役に立たない」といったセリフを耳にすることがある。
確かに、大学で学んだ学問「そのもの」が直接仕事に役立つという職業は限られているかもしれない。
しかしながら、「働き方改革」が進む日本において、1時間で生み出す付加価値を高めるためには、従業員全員が持てる知識と知恵を全て動員して、生産性を高める必要がある。
顧客から求められている商品・サービスの核は何で、商品・サービスの質を高めるためにどの点を改善すべきで、具体的に改善を進めるプロセスをどのように構築していくか、などの生産性向上活動は、大学における様々な学問の基礎となる論理的思考力が発揮される場面といえる。
さらに事業転換を促されている業界において、事業転換を図るための精緻な現状分析や新たな事業展開のためのロードマップ作製には、やはりあらゆる学問の基礎となるデータから事実を推論していく分析能力をフル活用すべき場面といえる。 会社を選ぶ決め手に「自らの成長が期待できる」が最も多くの新卒者が共感していることは、自立の観点からは将来に明るい希望が持てる傾向といえる。さらに言えば、会社は4月に入社した新卒者に対し手厚く教育を施すが、その教育に加えて、社会人となった新卒者が自ら学んでいくことも期待したい。
企業横断的なキャリア形成を望む際も、自ら業を起こすことを望む際も、必要となるのは、さまざまなファクターを俯瞰し、社会的に有用な商品・サービスに構築するための論理力だと思われる。
仕事の基礎を成す論理力は、どのような学部学科に所属し、どのような学問を学んだとしても身につけられる素養といえる。
その意味で、「ゼミや研究等、学校で学んできたことが活かせる」ことが就職先を確定する際の決め手としてもっと重視されても良いのではないかと思う。 最後に、新卒者の半数以上が就職先を選ぶ際の決め手を「自らの成長が期待できる」としたことを、社会人になった後も、この原点を心に留めていて欲しいと願う。
自立的なキャリア形成には、会社から施される教育だけでは不足する知識、経験が必ず出てくる。長い職業人生の中で、望む働き方、生き方を再構築すべき時が来たとして、実現できるかどうかは、どれだけ主体的に知識と経験を得てきたかに掛かっていると思う。
社会人のスタートに自ら成長したいと願ったことを大事にして、研鑽を積み、「やりたいこと」を成し遂げて欲しい。 2016年、政府が行った「社会生活基本調査」によれば、
職業に就いている社会人の6割は自ら学んでおらず、
職業に就いている社会人の学びの時間を平均すると6分、
これが現在の社会人の実情であった。 これからの社会人に出る若者には成長を期待したい。 【引用・参考文献】
・「就職プロセス調査(2022年卒)『2021年10月1日時点 内定状況』」就職みらい研究所(2021)
・「就職プロセス調査(2022年卒)『2021年9月1日時点 内定状況』」就職みらい研究所(2021)
・「就職プロセス調査(2020年卒)【確定版】『2020年3月度(卒業時点)内定状況』」就職みらい研究所(2021)
・「平成28年社会生活基本調査」総務省統計局(2016年) ―新卒就活生のためのオンライン就職相談 チャット不安悩み相談
いつの時代も人は適応してきた。「あと〇〇年で消える仕事」
2013年、オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授は『雇用の未来』の中で、今後10年~20年程度でアメリカにおける702種類の職業の中で、コンピューターによって自動化される確率の高い職種を示したことで、大きな反響を呼びました。
コンピューターによって自動化されるということは、人間にとっての「仕事がなくなる」ことを意味します。
『雇用の未来』が著されたのが2013年、それから8年、もうすぐ「今後10年~20年程度」の10年になろうとしています。
2013年当時に自動化される確率が高いとされた職業について、現在の日本ではどのような状況にあるかを見てみたいと思います。
筆者が特に興味を持った職業を抜粋して記します。 コンピューターに置き換えられる可能性が高いと指摘された職業は、
・テレマーケター(電話を使った販売活動)、置き換えられる確率99%、置き換えられる可能性が高い順位1位。
・貨物運送業者、99%、7位。
・保険の審査担当、98%、14位。
・融資担当者、98%、17位。
・銀行窓口係、98%、20位。
・運転手、販売員、98%、29位。
・モデル、97%、34位。
・レストラン、ラウンジ、カフェ従業員、97%、35位。
・レストラン料理人、96%、62位。
・訪問販売・街の物売り、94%、97位。
・会計監査員、94%、114位。
・自動車の車体整備工、91%、145位。
といった職業が上位となりました。 置き換えられる可能性が高い順位1位となった「テレマーケター」ですが、どうやら日本においてはあと2年でなくなりそうもありません。ここは国によって文化や商慣行の違いがありそうです。日本においては、2021年現在も良し悪しは別として、様々な商材を電話で用いてセールスしている実態があります。但し、さらに10年後の2032年には、完全になくなりはしないもののかなりのテレマーケターは職業としては成り立たなくなる購買環境になる可能性はあると思います。「訪問販売・街の物売り」についても、現在の日本では根強くなくならない仕事となっています。 そして、「貨物運送業者」「運転手」についても、日本においてはなくなるどころか、人手不足で困っている状況です。あと10年でインフラ整備や法整備が進むかが、なくなる仕事かどうかの重要なポイントだと思います。 「保険の審査担当」、「銀行窓口係」は着実にコンピューターに置き換わりつつあると思われます。決められたルールに則って行われる「作業」については、コンピューターの方が優れている面が多いのでしょう。 「融資担当者」については、日本においては置き換わりは緩やかだと思われます。各金融機関においては、窓口業務から融資担当業務に職種転換する動きもあり、現在はなくなっていない仕事と言えます。 「レストラン、ラウンジ、カフェ従業員」、「レストラン料理人」についてもなくなる仕事の指摘を受けていますが、現在は極端になくなっている仕事とは言えません。
特に、「レストラン、ラウンジ、カフェ従業員」については、日本の雇用慣行において、比較的安価な給与で雇用し易いアルバイト従業員の存在が起因していると考えられます。
最低賃金も年々上昇し、安価で雇用し易いアルバイト従業員が減少することで置き換えが加速する可能性はあると思われます。 その他のなくなる仕事と指摘のなされた職種の中でも、日本においては「あと10年」を迎える2年間で急速で置き換えが進みそうな仕事は、限定的と思われます。
但し、2021年のさらに「あと10年」の日本において、コンピューターによる置き換えからは逃れられないことは間違いがありません。 「あと〇〇年後にはなくなる仕事」、という指摘は長い歴史を俯瞰して見ますと、コンピューターの新化による置き換えによって齎されることが初めてではありません。 人は、18世紀半ばから起こった「産業革命」以来、なくなる仕事に晒され続けて来ました。
産業革命により、手作業で行っていた仕事が、機械に置き換わり、手作業という仕事はなくなりました。
しかし、手作業という仕事はなくなったとしても、人はまた新たに仕事を作り出し、新たな職業に就いてきました。
パソコンが誕生した後、多くの事務作業がパソコンに置き換わり、確かに多くの人が仕事をなくしました。
しかし、人はそれでもまた新しい仕事を見つけ、職業とし、働いてきました。 なくなる仕事があれば、新たに生み出される仕事が必ずあり、
人は適応していくものだと思います。 いつの時代でも人には生き抜く力が備わっているのだと思います。
可能性は無限に広がっているのだと思います。 【引用・参考文献】
・「未来の雇用」マイケル・A・オズボーン(2013) ―新卒就活生のためのオンライン就職相談 チャット不安悩み相談
愛し、愛されることで「自信」が生まれる。
先のコラムで「自己肯定感」の高い人は、子供の頃に「遊びの熱中度が高く、外遊び(集団での外遊び、自然の中での遊び等)が多かった人」、また「親や先生、近所の人に褒められた、もしくは叱られた経験が多かった人」といった傾向が調査によって明らかにされたことを記した。 国立青少年教育振興機構「子供の頃の体験がはぐくむ力とその効果に関する調査研究報告書」では、「自己肯定感」(あるがままの自分を認め、あるがままの自分に自信を持つこと)の醸成と、家族との愛情・絆(質)・家庭での体験(多寡)との関係についても考察している。 調査対象となった20代~60代の男女=「大人」の中で、社会を生き抜く資質・能力(「へこたれない力」「意欲」「コミュニケーション力」「自己肯定感」)が高かったのは、子供の頃に「家族との愛情・絆が強かった人」であった。 新卒者の就職活動において、最も重要な資質は「自己肯定感」であると考える。
「自己分析」過程において、自己のこれまでの人生を振り返ることで、努力し切れなかった自分や、勝ち切れなかった自分など、自己を肯定することが出来なくなるケースも多い。自己を肯定できなくなることで、自分の「強み」に自信が持てなかったり、自分の進みたい道(志望動機)に迷いが生じたりと、複数の試験が用意されている選考過程中に、立ち止まってしまうことも散見される。
あるがままの自分を肯定し切れていない状況で、不採用通知が届くことにより、ますます自己に対する自信を失ってしまう新卒者は多い。
エントリーした企業からたとえ不採用通知が届いたとしても、自己の魅力は変わることがない、と思える程の自己肯定感が新卒就活生には大切となる。 子供の頃家族との愛情・絆が強く且つ家庭での体験が多かった人が、大人になって自己肯定感が高かったのは45.7%。
一方で、子供の頃家族との愛情・絆が弱く且つ家庭での体験が少なかった人が、大人になって自己肯定感が高い割合は18.1%であった。 さらに、社会を生き抜く資質・能力の一つにあげられている「へこたれない力」についても、子供の頃家族との愛情・絆が強く且つ家庭での体験が多かった人でへこたれない力が高かったのは33.7%、一方、子供の頃家族との愛情・絆が弱く且つ家庭での体験が少なかった人でへこたれない力が高かったのは10.6%であった。
社会を生き抜く資質・能力にあげられている「意欲」(愛情・絆が強く且つ体験が多い人で意欲高い47.3%、愛情・絆が弱く且つ体験が少ない人で意欲高い20.9%)、「コミュニケーション力」(愛情・絆が強く且つ体験が多い人でコミュニケーション力高い47.6%、愛情・絆が弱く且つ体験が少ない人でコミュニケーション力高い19.6%)についても、子供の頃家族との愛情・絆が強く且つ体験が多い人が、弱く少ないに比べて有意に高くなっている。 社会を生き抜く資質・能力の多くは、愛情と体験が生み出していると言えるだろう。
過ぎ去った過去は変えならないが、「これから」は変えられるのではないだろうか。
親が子供にかける愛情は取り戻せなくとも、大人になって、これから出会う人々から愛情をもらうことは出来るだろう。
但し、大人になってから周りから与えてもらう愛情は、親が子供に与える愛情とは多少異なり、自ら周りの人々を愛するからこそ、周りの人々からも愛情を与えてもらえるものではないだろうか。 自ら周りの人々を愛することで、周りの人々から自分も愛され、それらの愛情によって「自己肯定感」は高められるといえよう。
自分を愛するために、周りの人々を愛する。
子供の頃は変えられなくとも、「これから」は変えられる。 【引用・参考文献】
・「子供の頃の体験がはぐくむ力とその成果に関する調査研究報告書」国立青少年教育振興機構(2018) ―新卒就活生のためのオンライン就職相談 チャット不安悩み相談
内々定先を親に反対されても6割以上がそのまま入社している。
10月1日に多くの企業で「内定式」が行われ、2022卒の新卒者就職採用活動も一つの節目を迎えた。
学生側の「売り手市場」が2022卒についても引き続いており、10月1日の「内定式」を前に複数社から内定を取得している新卒者は、来春入社する1社に絞り込み、内定を辞退した。10月1日の「内定式」を前に、複数社から内定を得ていた新卒者がどのような動きをしていたかを株式会社マイナビの調査から見てみよう。 「マイナビ 2022年卒大学生 活動実態調査(9月)」によれば、9月末時点、2022卒者の内々定率は86.6%。新卒者一人あたりが保有している内々定数は2.3社であった。別の調査では9月1日時点、複数社から内定を得ている割合は62.5%という結果もある(リクルートワークス研究所調べによる)。
8割を超える新卒者が内々定を得ており、その中で、内々定先について、否定的な意見や反対を受けたあると答えた新卒者は27.7%であった。さらに、内々定先について否定的な意見や反対されたのは父親・母親が69.9%であり、多くの場合、両親から反対されることが分かった。 では、どのような理由で両親は子供が獲得した内々定先を否定的な意見や反対をしているのか。最も多い否定的な意見や反対を受けた点は「安定性」で28.5%、次いで「将来性」26.2%、「福利厚生制度(休暇や残業時間・給与を含む)」24.2%、「勤務地」20.5%となった。
父親・母親としては内々定先の「安定性」と「将来性」を重視していることが窺い知れる。 さらに、主として父親・母親に内々定先を反対されたことで、どのような影響があったかを見てみると、反対された内々定先を「辞退した」学生は30.0%であった。一方で、反対されたが「入社を決めた」新卒者は66.8%と、自らの意思に従った決断を下した新卒者が多かったことが分かった。 現在の新卒者の父親・母親世代は、約30年前の1990年前後に新卒者として社会に出ていることが多い。自身の子供の内々定先の「安定性」や「将来性」を理由に反対することは、1990年当時の新卒者が会社を選ぶ理由の2番目に多い回答として「会社の将来性」を挙げていたことと無関係ではないだろう(公益財団法人日本生産性本部調べによる)。
一方で、現在の新卒者が会社を選択する理由の最も多い回答が「能力・個性が生かせる」であり、逆に最も低い回答が「会社の将来性」であることが、父親・母親に内々定先を反対されても、約7割がそのまま「入社を決める」ことと整合しているように思われる。 現在の新卒者が親の反対意見にも関わらず、自らの意思で入社先を決めていることは、主体的なキャリア形成意識が今の世代には根付いているからではないだろうか。
親世代の入社先に求める「安定志向」を乗り越えて、自らの「能力・個性の発揮」に向かう姿勢は、主体性の観点から好ましく、また頼もしく見える。 【引用・参考文献】
・「マイナビ2022年卒 大学生 活動実績調査(9月)」株式会社マイナビ(2021)
・「就職プロセス調査(2022年卒)『2021年9月1日時点 内定状況』」就職みらい研究所(2021)
・「平成31年度新入社員『働くことの意識』調査結果」公益財団法人日本生産性本部(2019年) ―新卒就活生のためのオンライン就職相談 チャット不安悩み相談
大人になって「自己肯定感」が高い人、子供の頃の体験を見てみると。
2020年初頭からこれまで“普通”に行われていたことに制限が掛けられ、人との関わり合いをも留まらなければならない期間が1年10カ月程経過しようとしている。
大学生でいえば、2020年4月入学者は現時点で2年生の後半に差し掛かり、現4年生は2年生の1月から制限が加えられた「コロナ禍」での学生生活を余儀なくされている。
学校から社会へ移行に際して、大学時代の学業は当然として、大学外での活動、部活動・サークル活動、アルバイトなどを通じて得られる経験は重要である。大学での学業と大学外の活動で出会う人々の関わり合いの中で、自分とは何か、自分が進むべき道はどれか、自分が果たしたい夢はどれか、など今後の生き方を明確化させる大切な時期ともいえる。
このような大切な時期に、人との関わり合いを制限されたことで、就職活動時に避けがたい「大学時代に力を入れたこと」=ガクチ力に迷いを生じさせている。
コロナ禍が与えた若者への影響については、今後調査が行われ、“普通”だったことが出来なくなった影響が明らかにされていくだろう。 ここでは大学生活より以前の子供の頃の経験が大人になってどのように影響するかの調査を見てみたい。
2018年、国立青少年教育振興機構は「子供の頃の体験がはぐくむ力とその効果に関する調査研究報告書」を発表した。この調査は、日本の青少年の自己肯定感が諸外国に比べ低いと指摘されていることを踏まえ、体験活動と自己肯定感、今の青少年に求められるへこたれない力や意欲、コミュニケーション力との
関係を検討し、これを高める体験活動の在り方を提案することを目的としている。(自己肯定感の低さについては「令和元年版子供・若者白書 特集1 日本の若者意識の現状~国際比較からみえてくるもの~」内閣府(2019年)に詳しい。)
調査では、20代~50代を対象に、年齢期別の「子供の頃の体験」と現在の「社会を生き抜く資質・能力」との関係性を分析した。 調査結果の中から、新卒者の就職活動の成否を大きく左右されると考えている「自己肯定感」の獲得と子供の頃の体験を見てみる。
大人になって「自己肯定感」が高い人の子供の頃の体験として、
・遊びの熱中度が高く、外遊び(集団での外遊び、自然の中での遊び等)が多かった人。
・親や先生、近所の人に褒められた、もしくは叱られた経験が多かった人。
大きく2つに収斂される。 このことにより、大人になって「自己肯定感」が高い人の特徴は、子供の頃、親や先生、友だち、近所の人との関わりが多かった人、と言えよう。 この調査はあくまでも子供の頃の体験と大人になっての「自己肯定感」の関係を明らかにしたもの。
この調査の方法、結果がそのまま大学生に当てはまるとは言い切れないものの、人との関わりを制限された大学生が大学時代に本来獲得できた「自己肯定感」の獲得に全く影響がなかったとは思えない。
これから社会出てくる「コロナ禍世代」の新卒者は、これまで“普通”であった多種多様な人々との関わり合いを制限された大学生活を余儀なくされた世代と言える。
様々な人々との関わり合いは、自己肯定感の醸成に不可欠な経験であることを踏まえると、就職・採用の現場における「ガクチ力」を問うことは、より慎重にすべきではないだろうか。 【引用・参考文献】
・「子供の頃の体験がはぐくむ力とその成果に関する調査研究報告書」国立青少年教育振興機構(2018)
・「令和元年版子供・若者白書 特集1 日本の若者意識の現状~国際比較からみえてくるもの~」内閣府(2019年) ―新卒就活生のためのオンライン就職相談 チャット不安悩み相談
3年以内離職率21.4%。「やりたいこと」に繋がる「前向きな」退職理由も。
「新卒者一括採用」「年功序列」「終身雇用」が日本の雇用慣行として定着したとされるのが1950年代以降。およそ半世紀の時を経て「年功序列」、「終身雇用」は「維持し難い」や「既に崩壊している」と言われるようになった。一方で、「新卒者一括採用」に関しては、政府と教育界と産業界の間で「申し合わせ」が取り交わされるなど一定のルールの下で、労働慣行として現在も維持されている。 「既に崩壊している」との指摘がある「年功序列」「終身雇用」は、企業側が労働力の維持、活用のために採用していた人事制度である。「日本的経営」の中核を成していた象徴的な2つの人事制度は、1950年代から崩壊が囁かれるようになるまでは、企業の提案する人事制であったとしても、働く人にとっても合理的な側面があったからこそ数十年に亘り一般的な人事制度であり得た。 では、現在の新卒者にとって、長期勤続を前提とする人事制度はどのように受け止められているのだろうか。
新卒者の「退職」の動向から、現在の若者が一つの企業に長期的に勤続することに対する意識を見てみたい。 独立行政法人労働政策研究・研修機構では、2019年3月に「若年者の離職状況と離職後のキャリア形成Ⅱ」を公表した。
同調査によれば、大学・大学院卒の「3年以内離職者」率は21.4%であった。ちなみに厚生労働省調査では、大卒者の「3年以内離職者」率は31.8%となっている。
厚生労働省調査では新卒者の3割、労働政策研究・研修機構調査では2割が「3年以内」に早期離職している。2~3割の新卒者が「3年以内」に離職する傾向は2000年頃から言われ始めており、ここ20年余り早期離職者の割合は変化がないように思われる。 大卒新卒者の「初めての正社員勤務先」を離職した理由を見てみると、男性では「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかったため」が最も多い理由で29.3%、次いで「会社の将来性がないため」が25.7%、そして「肉体的・精神的に健康を損ねたため」が25.4%となっている。
女性では「肉体的・精神的に健康を損ねたため」が最も多く36.1%、次いで「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかったため」32.5%、「自分がやりたい仕事とは異なる内容だったため」が28.2%となった。 男女とも大卒新卒者の退職理由の上位には、「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかったため」といった労働条件が入っているものの、「会社の将来性がないため」や「自分がやりたい仕事とは異なる内容だった」といった主体的に退職(転職)を決めたことを窺い知れる理由も含まれている。 大卒新卒者の男性では上位3位には入らなかったものの「初めての正社員勤務」を離職した理由の中には「キャリアアップするため」23.9%、「自分がやりたい仕事とは異なる内容だったため」23.2%、といったように主体的に働く場所を含めたキャリア選択を行っている者も少なくない。
大卒新卒者の女性においても、「自分がやりたい仕事とは異なる内容だったため」が28.2%で3番目に多い退職理由であり、「会社の将来性がないため」も22.0%、「キャリアアップするため」が17.7%と、仕事と会社を自ら選ぶため退職をした者は男性と同じく少なくない。 企業側が長期勤続を提案したとしても、その社会でキャリアアップが見込めないと判断されたり、自分が「やりたい仕事」とは異なっていると認識されたり、会社に将来性を見出せなかったりすれば、自らの意思で働く場所を含めたキャリア選択を行う若者は少なくないと言えよう。
自らのキャリア形成を全て会社に委ねるのではなく、自らの意思で主体的に判断する若者が増えることで、企業としても「個人のキャリアアップと将来の事業展開のベクトル合わせ」、「働く人のやりたいこと・やりたい仕事と事業戦略との統合」、「会社の将来性」について真剣に向き合わざるを得なくなり、結果的に会社の成長発展にとっても、働く人の充実したキャリア形成にとってもプラスになる最適解が見出せるようになるのではないだろうか。 新卒者は就職活動を契機として「自己分析」を行い、自らの将来と必死で向き合う。多くの新卒者は、粗削りながらも熟考の末「やりたいこと」「やりたい仕事」を定めて、4月に社会に出る。3年以内の早期離職に至る理由がネガティブなものだけではなく、主体的なキャリア形成を見据えたものも少なくないことは、現在の若者の働くことの意識変化と言えよう。 【引用・参考文献】
・「若年者の離職状況と離職後のキャリア形成Ⅱ」独立行政法人労働政策研究・研修機構(2019) ―新卒就活生のためのオンライン就職相談 チャット不安悩み相談
「説明会の予約可」の表示が少なくなる時期…。「通年採用」の状況は。
間もなく2022年4月入社予定者の「内定式」が一斉に執り行われる10月1日となる。
9月1日時点の大学卒就職内定率は90.0%となり、「就職を希望している」大学生の9割が内定を取得している状況である。
リクルートワークス研究所の調べ2022年3月卒の民間企業就職希望者は450,000人と推定されていることから、9月時点で45,000程が内定を得られていない状況でもある。 新卒大学生の就職・採用スケジュールは、「申し合わせ」により一斉に開始されるため、おおよそ採用活動を終える時期も「横並び」となる傾向が強い。
採用のための広報活動は3月1日以降、採用選考開始は6月1日以降、正式な内定は10月1日が「申し合わせ」で定められたスケジュールであり、10月1日正式な内定に合わせるため、選考活動を9月までに終える採用スケジュールを組む企業が多くなる。 10月1日が近づくにつれ、就活サイトから「説明会の予約可」と表示される企業が徐々に減少していく。
この時点で内定を取得出来ていない就活生の焦りと不安と孤独感と苦しさは、就職氷河期に就職活動を経験した者は痛い程理解できる。
就職氷河期(1990年代後半から2000年代前半)から約20年が経過しようとしている現在、新卒就活生を悩ませる就職・採用活動のスケジュールは、別の言い方では、採用活動時期のピークを越えた後の状況はどのように変化したのだろうか。 新卒者の採用活動の時期を、一般化した就職・採用活動スケジュールに寄らず、時期を特定せず年間を通じて行う「通年採用」の状況を見てみよう。
株式会社リクルートキャリア「就職みらい研究所」の調査では、2022年卒者採用の方法の中で「通年採用」を実施予定の企業は27.0%であり、3割弱の企業で「通年採用」を行う見通しである。
「通年採用」を実施予定の企業を従業員規模別で見た場合、300人未満33.7%、300~999人24.6%、1,000~4,999人19.7%、5,000人以上30.0%であり、300人未満と5,000人以上の規模で「通年採用」実施の割合が高くなっている。
ちなみに、昨年度2021年卒において「通年採用」を実施予定とした企業は19.2%であり、2022年卒の方が「通年採用」を実施予定の企業が増加していると言える。
新卒就活生にとっては10月1日の正式内定後もチャレンジできる環境は広がりつつあると言えよう。 夏を過ぎた頃から、エントリーできる企業、説明会に参加できる企業が徐々に減っていく怖さは、実際に経験した新卒者でなければなかなか理解し難いものだろう。
新卒就活生がいつでも、何度でも挑戦できる就職・採用環境が整うことを切に期待している。 【引用・参考文献】
・「就職プロセス調査(2022年卒)『2021年9月1日時点 内定状況』」就職みらい研究所(2021)
・「第38回ワークス大卒求人倍率調査(2022年卒)」リクルートワークス研究所(2021)
・「就職白書2021」就職みらい研究所(2021) ―新卒就活生のためのオンライン就職相談 チャット不安悩み相談
もうすぐ10月1日「内定式」、就活戦線も一区切り
新卒者の就職・採用活動のスケジュールは、国公私立の大学等で構成している「就職問題懇談会」が申し合わせて、就職・採用活動の広報開始時期(会社説明会の開始時期)は3月1日以降、採用選考開始は6月1日以降、正式な内定は10月1日と「申し合わせ」がなされており、もうすぐ正式な内定を学生、企業ともに共有化するプロセスの一つ「内定式」が全国で一斉に執り行われる。 株式会社リクルート「就職みらい研究所」の調べによると、2021年9月1日時点の内定率は90.0%。2020年卒の9月1日時点の内定率は93.7%、「内定式」が執り行われる10月1日の内定率は93.8%であったことから、2022年卒の内定率の推移も微増であることが予想される。2022年卒の内定率も高水準で推移している。
2015年卒の求人倍率1.61倍から現在の2022年卒(求人倍率1.50倍)に至るまで、学生側の「売り手市場」が続いていると言える(リクルートワークス研究所の調べによる)。
学生側の「売り手市場」を反映して、10月1日の内定式を1ヵ月前にあたる9月1日時点、2022年卒者の内定取得企業数は1社が37.5%、2社以上が62.5%と、6割以上の就職就活生が複数の企業が内定を得ている。
複数企業から内定を得ている新卒者の割合はここ数年変わっておらず、2021年卒では2社以上から内定を取得した割合は59.6%、2020年卒では61.9%となっている。
複数企業から内定を取得していれば、何れかのタイミングで就職先を1社に絞らねばならない時期が来て、内定を辞退することになる。調査結果においても内定辞退をしなかった2022年卒者は38.2%、内定辞退を1社は29.6%、2社は15.7%、3社は8.4%、4社は4.6%、5社は1.3、6社以上は2.2%となった。 新卒者としてはたとえ1社から内定を取得しても、自身が「納得いくまで」就職活動を続けたい気持ちは十分理解できる。そのための「自己分析」でもある。
一方で、企業側としては、新卒者からの一定程度の内定辞退を想定して、採用予定人数を100とした場合、内定を出した人数は156.6に上る。
企業としては、新卒者から「選ばれる」工夫が必要となる。
マクロ的に見れば、就職氷河期の新卒者が必死で企業から「選ばれる」努力を行った時代から、学生と企業とのポジションが入れ替わったように見える。 【引用・参考文献】
・「就職プロセス調査(2022年卒)『2021年9月1日時点 内定状況』」就職みらい研究所(2021)
・「第38回ワークス大卒求人倍率調査(2022年卒)」リクルートワークス研究所(2021)
・「就職白書2021」就職みらい研究所(2021) ―新卒就活生のためのオンライン就職相談 チャット不安悩み相談
日本経済の「6重苦」全体として改善されるも、労働市場は未だ硬直的
9月24日、内閣府は「令和3年度 年次経済財政報告(経済財政政策担当大臣報告)」を公表した。報告書の副題は「―レジリエントな日本経済へ:強さと柔軟性を持つ経済社会に向けた変革の加速―」であった。 報告書では、2011年の東日本大震災後から指摘されていた「日本経済の6重苦」について総括している。2011年7月に日本経済団体連合会が指摘した「6重苦」とは、①円高、②高い法人実効税率、③自由貿易協定(FTA/EPA)の対応の遅れ、④国際的に見て硬直的な労働規制、⑤地球温暖化ガスの25%削減、⑥電力問題(電力不足、高い電力コスト)であった。経済界としては、指摘した日本経済にとっての6つの「苦」を解消することで、諸外国との競争環境上のイコール・フィッティングを整えることを主唱した。 「日本経済の6重苦」の指摘から10年、内閣府では以下のように個別事項を総括した。
①円高については「解消」された。
名目実効為替レートが2011年12末110.36円から2021年6月末85.03円となった。 ②高い法人実効税率は「解消」された。
2012年度法人実効税率37.00%から、2018年度以降29.74%となった。 ③自由貿易協定(FTA/EPA)の対応の遅れについては「解消」された。
2011年12月末ASEANおよびインド他3か国と経済連携協定発効、輸出入の2割弱から、2021年1月末TPP11,日EU・EUA他24か国と発効・署名、輸出入の約5割となった。 ④労働市場の硬直性は「課題が残る」。
2011年正規雇用者数3,355万人、非正規雇用者数1,812万人から、2020年正規雇用者数3,529万人、非正規雇用者数2,165万人と正規雇用者および非正規雇用者の数は増加している。
一方で、課題は平時における産業間の労働移動を通じた産業や業種構造の転換であり、こうした前向きな移動を阻害する労働市場の硬直性は残る、と指摘している。 ⑤環境規制については、グローバルに合意された「2050年カーボンニュートラル」社会の実現に向けて更なるイノベーションを促した。 ⑥電力不足・コスト高については「未解決」。
2010年度産業向け電力13.7円/kWhから、2019年度17.0円/kWhと24%増となった。 「6重苦」の中で、新卒就活生にとって④労働市場の硬直性は、これから社会に出る上で関係が強いテーマと言える。
報告書においては、経済界から「苦」として指摘があった「リーマンショックによる景気後退期には、過去の判例や実績から労働慣例上踏襲されている、いわゆる『整理解雇の4要件(①人員整理の必要性 、②解雇回避努力義務の履行、③被解雇者選定の合理性、④解雇手続の妥当性 )』が厳しすぎるとの声が産業界から多くあがっていた。もっとも、雇用契約は当事者対等主義が維持されないおそれがあることから、一定の雇用者保護が必要であることは言うまでもないが、それが静態的な雇用保護にとどまっており、雇用者の将来を含めた動態的な雇用保護に至っていないところに慣例や判例主義の課題がある。・・・課題は、平時における産業間の労働移動を通じた産業や業種構造の転換であり、こうした前向きな移動を阻害する労働市場の硬直性は残っている。」と労働市場を政策的に硬直させている理由と、一方で労働市場が硬直することの課題について言及している。 課題は、働く人の産業間の移動を通じた産業や業種構造の転換、すなわち「前向きな移動」を阻害する労働市場の硬直性が残っていること。
新卒者の「やりたいこと」「やりたい仕事」は、就職活動時に定めたことが当然全てではない。就職活動中に自己分析を通じて一旦は定めた「やりたいこと」「やりたい仕事」であっても、実際に社会出て、経験を積むことで変化することが自然なことと言えよう。
様々な知識や経験を得て、新たに定めた「やりたいこと」「やりたい仕事」に就こうとした際に、働く人個人の努力ではなく、日本の労働市場、労働慣行が原因でその実現が阻まれてしまうことは、若者の活力を奪うことに繋がってしまうのではないか。 新卒就活時だけではなく、生涯のキャリアを通じて「やりたいこと」「やりたい仕事」を模索し、その実現が図れる社会であるという安心感が、若者の挑戦する気持ちを醸成する基盤となるのではないか。 【引用・参考文献】
・「令和3年度年次経済財政報告-レジリエントな日本経済へ:強さと柔軟性を持つ経済社会に向けた変革の加速-」内閣府(2021)
・「日本経済再生のための緊急アピール」日本経済団体連合会(2011) ―新卒就活生のためのオンライン就職相談 チャット不安悩み相談